業務用エアコンをビルトイン式にする利点と注意点

ビルトインは家具や機器類を建物に組み込んだ方式です。組み込みを行うことで家具や機器類を建物の構成部品にする効果があります。ビルトインにするのは部屋を広く見せる目的が多く、デザイン性を重視する物件や敷地が限られている物件に多用されています。天井部分に設置する業務用エアコンはビルトイン式の物が多数ですが、これはデザイン性を重視すると共に風を効率よく送る意味があります。

天井に埋まったエアコンは吹き出し口が天井部分と同じ位置にあるので、風が万遍なく部屋全体に降り注ぐようになっているのです。業務用エアコンは出力が強いので、風の強さを一定に保ちながら長時間使い続けることができます。広い部屋でも全体に空気の流れが生じる形になるので、室内環境を安定させるのに最適と言えるでしょう。壁掛け式のように特定の方向だけに風が向くことはないので室温にムラが生じることもありません。

ビルトイン式の業務用エアコンは室内環境を良好に保つ効果が期待できる一方、配線や配管が壁や天井の中を通す形になるのでメンテナンスが困難です。また、湿気が籠りやすくなるので見えないうちにカビや害虫の被害に見舞われるおそれがあります。特に天井に設置するタイプのエアコンは天井が腐食し、水が漏れて部屋が水浸しになる可能性は否定できません。照明機器の配線や建物の梁が通る部分には設置ができないのも天井にビルトイン式を用いる際の注意点です。

素人作業で取り付けると後で重大なトラブルに見舞われることから、出費が嵩むとしても専門の施工業者に任せるのが賢明でしょう。